野外民族博物館 リトルワールド
写真
リトルワールドは、世界各地から集めた4万点の民族資料と22カ国、33施設の野外展示 家屋を有し、『生きた博物館』として、世界の生活や文化に手軽に触れ 、学ぶことができ、 そのすばらしさを味わうことができます。
(野外民族博物館 リトルワールド公式ホームページより)
以下の文章は、野外民族博物館リトルワールド 亀井哲也 主任学芸員にインタビュー取材したものを要約して掲載しています。
本館展示ロビー
260の民族の顔を見て頂きながら、人類の共通性、その民族の独自性といったものが入口ロビーに展示してある写真から分かるかと思います。
「人間とは何だろう」ということを考えながら本館展示室をみて頂きたいと思います。進化・技術・言語・社会・価値、この五つのテーマに したがって本館展示室は並んでいます。
- 本館展示ロビー
- 本館展示ロビー
進化の部屋
人類がいかに猿と共通の祖先と分かれて人となっていったか。猿人、原人、新人の姿をジオラマを通して紹介しています。 猿人として狩りをしながら暮らしていた我々の祖先が何百万年前にいます。そして原人となって火を使うことを学ぶ。
ホモサピエンス サピエンスいわゆる新人となったのが、いまから20万年位前。その時には氷河期いった厳しい環境の中でいろんな技術を 知恵を身につけて、我々の祖先は生き延びて今がある。
- 進化の部屋
- 進化の部屋
- 猿人ジオラマ
- 原人ジオラマ
- 新人ジオラマ
- 旧石器時代後期の芸術をジオラマで再現
技術の部屋
衣食住、狩猟、採集、農耕、牧畜、運搬といった技術、それぞれがどういう目的で 使われる道具かということをテーマにして資料を配置しています。たとえば展示してある魚を採るための道具ですが、東アジアにあるものと アフリカのものと見比べてください。まったく同じ姿をしていることが分かるかと思います。それぞれの地域の人が魚を採るための目的で 同じ道具を作ったということです。人間の考え方の共通性がこの資料からも分かるかと思います。。
- 着るための工夫
- 食べるための工夫
- 住まいと道具
- ものを運び交換する
- 採集・狩猟・漁労
- 採集・狩猟・漁労
言語の部屋
言葉を操ることも人間の大きな特徴です。言語の部屋では世界のさまざまな言語をモニターとか絵で紹介しています。
- 言語の部屋
- 言語の部屋
社会の部屋
社会をつくるのも人間の特徴です。人はひとりでは生きていけません、社会の部屋では人の一生になぞらえて、生まれてから 死ぬまで一体どうゆう社会をつくっていくのか、その社会をつくっていく上で、どんな道具を使っているのかを紹介しています。
- 社会の部屋
- 社会の部屋
価値の部屋
人間が他の生物と違ういちばん大きな特徴は何といってもイマジネーション、想像力です。姿かたちの無いものに 姿かたちを与えて絵にしたり、仮面や像にしたり、世界中の人間がそういった物をつくっています。世界中の儀礼や芸術や宗教といった ものにまつわる道具を展示してあります。
- 価値の部屋
- 価値の部屋
- 価値の部屋
- 価値の部屋
野外展示場
リトルワールドの野外展示場は、一周2.5キロの周遊路にそって、現在22カ国31の建物が立ち並んでいます。
沖縄県 石垣島の家は、 じっさい現地に建っていたものを移築しました。台風対策が家屋のいたるところに見られるのが特徴です。
- 沖縄県 石垣島の家
- 沖縄県 石垣島の家
北海道のアイヌの家は、今から100年以上前にアイヌの人々が住んでいた家を、形をそのままに復元しています。実際に建てるときには リトルワールドに来てもらって建てています。
- 北海道 アイヌの家
- 北海道 アイヌの家
台湾の農家は、中国から台湾に移住してきた人々が、漢民族の習慣をよく残したかたちで生活をしている様子をよく表しています。 レンガづくりの美しい壁をもった家となります。
- 台湾 農家の家
- 台湾 農家の家
アラスカのトリンギットの家は、アラスカ杉、アラスカヒノキとも言われますが、その木の香りが今から30年位前につくられた家ですが、 今でもします。
- アラスカ トリンギットの家
- アラスカ トリンギットの家
ペルー大農園領主の家の屋根はまっ平らです。このペルーの家が建っていたところは、年間の降水量が10ミリくらいの砂漠地帯。 できるだけ現地に忠実につくろうとすると、日本の風土にあわないといった苦労も実際には生じています。
- ペルー 大農園領主の家
- ペルー 大農園領主の家
バリ島の貴族の家は、現地の大工さん、石工さんに来ていただいて、この家の彫り物すべてを作ってもらいました。家のなかにいる 人たちを守ってくれる守り神ノマといいますが、悪霊を手を広げて入らないように防いでくれています。
- バリ島 貴族の家
- バリ島 貴族の家
インドネシア トバ・バタックの家は1947年建てられたものですが、この家屋をいただくにあたり新しい家を一軒プレゼントします といった条件で移築しました。床下には水牛が、床の上には人間が天井裏には神様が住んでいるとも言われています。
- インドネシア トバ・バタックの家
- インドネシア トバ・バタックの家
ドイツ バイエルン州の家のなかでも聖ゲオルグ礼拝堂は、キリスト教カトリックの礼拝堂ですが、美しいフレスコ画が描かれています。 下地がまだ生渇きの状態で顔料をのせる、さっと描かなければいけない。風のような描き方だということで、この絵を「風の絵」、 それを描く人を「風の画家」とも呼ばれています。
- 聖ゲオルグ礼拝堂
- 聖ゲオルグ礼拝堂
フランス アルザス地方の農家は、今から400年以上前に建てられた家を頂いて移築しました。
- フランス アルザス地方の農家の家
- フランス アルザス地方の農家の家
南イタリア アルベロベッロの家は、アルベロベッロ街はユネスコの世界遺産に指定されているような所で、 たくさんの尖がり帽子の屋根を持った家が集まっています。
- 南イタリア アルベロベッロの家
- 南イタリア アルベロベッロの家
各国のテント村
- 各国のテント村
- 各国のテント村
南アフリカのンデベレの家は、ひじょうにカラフルな幾何学模様の壁絵が美しい家屋です。ンデベレの女性たちに日本に来ていただいて、 この壁絵をすべて描いてもらいました。
- 南アフリカ ンデベレの家
- 南アフリカ ンデベレの家
西アフリカのカッセーナの家は、現地の家は泥でできています。残念ながら泥では出来ませんでした。
- 西アフリカ カッセーナの家
- 西アフリカ カッセーナの家
ネパール仏教寺院は展示が出来上がるまでに、およそ2年半くらいかかっています。
- ネパール仏教寺院
- ネパール仏教寺院
インド ケララ州の村では、村の状況を復元しています。ナヤールという地主の家の壁を見ていただくと、真っ赤な石積の ように見えますが、ラテライトと呼ばれる鉄分が暑い熱によって固められた土を切り出してレンガ状に積み上げて造る 工夫をしています。
- インド ケララ州の村
- インド ケララ州の村
韓国の地主の家は、障子の貼り方が日本と裏表逆になっています。部屋のなかには板の間と油紙を敷いた間と二つあります。 この油紙を敷いた間には、床暖房といわれるオンドルの部屋があることが大きな違いとなっています。
- 韓国 地主の家
- 韓国 地主の家
山形県の月山山麓の家は養蚕をしていたということで非常に大きな造りとなっています。この家のもとの持ち主も時々 リトルワールドを訪れて、家を見て懐かしがってくださっています。
- 山形県 月山山麓の家
- 山形県 月山山麓の家
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